なぜ私たちは投資が「怖い」のか?親から受け継いだ“古いお金の常識”
こんにちは! 「おそ50」案内人の さんぱち です。
「投資」と聞くと、なんだか「怖い」「危ない」「ギャンブルみたい」…そんなイメージが、心のどこかにありませんか?
特に、私たち50代、就職氷河期を乗り越えてきた世代は、そう感じる方が多いように思います。
でも、なぜでしょう? その理由の一つは、私たちが子供の頃に親から聞かされた「教え」にあるのかもしれません。
今日は、そんな**“親世代から受け継いだ、古いお金の常識”**について、私自身の経験を交えながら、少しだけお話しさせてください。
私の母が語った、祖父の「投資の失敗」
私がまだ若かった頃、母からこんな話を聞かされたことがあります。
「おじいちゃんは昔、株で失敗してね。家族に迷惑をかけたんだよ」と。
それは、NTTの株だったそうです。 国民的な大企業だからと、当時は多くの人が期待を込めて投資しました。しかし、結果として祖父の投資は「失敗」に終わり、その記憶は「投資は怖いもの」という教訓として、母を通じて私に語り継がれました。
きっと、あなたのご家庭でも、似たような話を聞いたことがあるかもしれませんね。 「汗水たらして働くのが一番」「楽して儲けようとしちゃいけない」… 親が私たちにそう言い聞かせたのは、間違いなく愛情からでした。自分たちの子どもに、お金で苦労してほしくない。その一心だったはずです。
そして何より、親の世代にとっては、それが紛れもない「正解」だったのです。
時代が違った、親世代の「正解」
私たちの親が若かった時代、そして私たちが子供だった時代。 それは、今とは全く違う経済のルールが支配する世界でした。
当時は、銀行の金利がとても高かったのです。 郵便局にお金を預けておけば、10年で倍になる「定額貯金」なんていう、今では信じられないような商品がありました。
つまり、何もしなくても、銀行にお金を「預けておくだけ」で、安全かつ着実にお金が増えていったのです。 そんな時代に、わざわざ値下がりのリスクがある株に投資することは、確かに「危ないこと」だったのかもしれません。
親たちの「貯金が一番」という教えは、彼らが生きた時代における、最も賢く、最も正しい選択だったのです。
しかし、時代は着実に動いている
さて、ひるがえって現代。 銀行に100万円を1年預けても、つく利息は缶コーヒー1本も買えない、なんていう時代になりました。
一方で、モノの値段は上がり続けています。(インフレですね)
つまり、親の時代の常識だった**「何もしないこと」が、今度は「ゆっくりとお金の価値が減っていく」というリスクに変わってしまった**のです。
私たちは、知らないうちに、親の世代とは全く違うルールのゲーム盤の上に立たされています。 親から教わった古い地図を頼りに歩いていても、目的地にはたどり着けないのかもしれません。
ここで、少しだけ祖父のNTT株の話に戻ってみましょう。 当時、株価が下がってしまったのは事実で、「失敗だった」のかもしれません。
しかし、もし、その株を今も持ち続けていたら…? これまでに受け取ったであろう、たくさんの**配当金(企業からの利益のおすそ分け)**を考えると、物語は全く違った結末を迎えていた可能性だってあるのです。
古い地図を、新しい地図に書き換えよう
この記事で私がお伝えしたいのは、親の教えが間違っていた、ということでは決してありません。 彼らの愛情に、心から感謝しています。
ただ、時代が変わり、お金の常識も変わったという事実を、私たち自身が受け入れ、学び直す必要がある、ということです。
「投資は怖い」という感情は、すぐに消えるものではないかもしれません。 でも、その「怖さ」の正体は、もしかしたら知らないことから来る不安だけなのかもしれません。
この「おそ50」ブログでは、そんなあなたの不安に一つ一つ寄り添いながら、今の時代にあった、新しいお金の地図を一緒に作っていきたいと思っています。
まずは「知る」ことから。 それが、私たちの世代が踏み出すべき、新しい一歩です。

この記事が、あなたの資産形成を考える上でのヒントになれば嬉しいです。 ただ、大切なお金のことですので、最終的な投資の判断は、必ずご自身の責任で行うようお願いいたします。一緒に、賢くお金と付き合っていきましょう!